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【SVシーズン2】キョジオーン 解説

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概要

SVシーズン2にて使用したキョジオーン、及びキョジオーンを活かすために作成した構築について解説する。

 

 

構築経緯

ポケモンの採用意図を、採用順に解説する。詳細な構成意図は個体解説にて述べる。

 

1.キョジオーン

唯一無二の個性を持つため、着想の原点として採用。

このポケモンのための構築なので、単体で最も広範囲に勝てる構成を目指した。

構築の方向性を定めるため、まずキョジオーンの長所と短所を明確にした。

長所

・「しおづけ」により一手で強力な削りを入れられ、さらに解除のための交代を要求できる。

・高耐久と「じこさいせい」により、対面的で崩し手段を持たないポケモンに強い。

・以上に加えて[きよめのしお]により、高耐久ポケモン同士の対面に強い。

短所

・硬い「みがわり」を破る手段がない

・瞬間火力が出ないため、積み技の起点になりやすい。

・『おんみつマント』持ちに負担が掛からない

交代を強いる能力は、明らかに「ステルスロック」と好相性である。

また、対面的なポケモンや[てんねん]持ちに強いことは、積みエースを通す上で都合が良い。

以上を踏まえて、キョジオーン+「ステルスロック」+積みエースを基本形とした。キョジオーン以外を攻撃的なポケモンで固めれば、「みがわり」の隙を与えない立ち回りが可能になるだろうとの思惑もあった。

また、起点になりやすい欠点は、積み合いに強いエースを採用することで補おうと考えた。

『おんみつマント』については、持ち主が分からない以上構築段階での対策が難しかった。キョジオーンを使う上で仕方のない欠点だと割り切り、積極的に「しおづけ」を撃って型判別するなどの立ち回りで対処することとした。

 

2.カイリュー

しんそく」により、積んだ相手を縛ることのできるエースとして採用。

キョジオーンとのタイプ補完が良く、持ち前の耐久と「はねやすめ」によりサイクルを回しながら勝ち筋を見極めることが可能である。

 

3.デカヌチャン

"ドラゴン"の一環を切らなければサイクルが成立しないため、"フェアリー"の「ステルスロック」要員として採用。

「アンコール」により、「みがわり」や積み技への耐性もある程度確保できる。

「みがわり」を破れなければ意味がないので攻撃的な構成とした。

 

4.ウルガモス

ここまで"はがね"が一貫しており、特にサーフゴーの「ゴールドラッシュ」やジバコイルの「ラスターカノン」への引き先が欲しかったため採用。

当初は「ちょうのまい」+「ふきとばし」によりカイリューとは違う形で積み合いに強いエースとしており、サイクル参加のため『あつぞこブーツ』を持たせていた。

実戦の中での噛み合わなさを感じ、このポケモンだけは最終的に構成を大きく変えることとなった。

 

5.マスカーニャ

相手のカイリューウルガモスなど、回復技+積み技によりキョジオーンの前で複数回積んでくるポケモンへの対策として採用。

こだわりスカーフ』+「トリック」により遅い積みを封殺する。

そうでなくとも『こだわりスカーフ』を持ったままキョジオーンを崩せるポケモンなど皆無であり、単純に相性が良い。

同じく「トリック」を使えるポケモンの中で、

・素のSが高いため、S+1の積み技に対して後投げから先手を取れる

・「トリック」の効かないサーフゴーに対して比較的有利である

・「はたきおとす」により相手の火力強化アイテムや『おんみつマント』を奪える可能性がある。

などの利点がある。

 

6.ドラパルト

ここまでで不足している受け構築への崩しが可能なドラパルトとして採用。

高い瞬間火力と[すりぬけ]により、相手の「みがわり」を直接的に対策できる。Sが高く相手の崩し枠に強い点も含めて、キョジオーンとの相性が極めて良い。

型が豊富なため考察を最後に回したが、キョジオーンを軸にした段階でドラパルトの採用は確定していた。

受け構築がキョジオーンを倒すこと困難である以上、ドラパルトで3体倒さずともTODで勝てる考え、迅速に1体を倒すことに長けた『いのちのたま』持ちの両刀とした。

 

 

個体解説

構築経緯にて省いた各個体の構成意図について、選出率順に述べる。

 

1位

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195(156)-121(4)-160(76)-×-156(252↑)-58(20)

H…『たべのこし』×4=「みがわり」

S…同族を抜きたいので高め

「しおづけ」の性質上、最高打点を2耐えすれば対面に勝てる。そこで2耐え範囲を広げるために『たべのこし』をまず確定させた。

次に努力値振りだが、物理方面については、例えばこのH-Bラインでも特化カイリューの「げきりん」を『たべのこし』込みで2耐えする。これを充分と判断し、振らなければ不足しているDに特化させた。

テラスタイプは、"いわ"との補完が良く頻繁に撃たれる「じしん」に対して大きなリターンを取れる"ひこう"とした。

技について、「しおづけ」と「じこさいせい」は言うまでもなく確定である。

「しおづけ」『たべのこし』の両方と相性が良い「まもる」も採用しない理由が無かった。

「みがわり」は主に複数回の積みを咎めるために採用した。硬すぎて生半可な攻撃では割れないため、様々な場面で活きた。

 

2位

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163-141(4)-95-152(252)-85(↓)-213(252↑)

受け構築の潰し枠に多いドラパルトとのミラーに勝つべく最速。耐久が不要で火力上限を伸ばしたかったためC振りとした。

予想外の選出率となったが、理由としては

・"はがね"テラス+「みがわり」サザンドラ等が多く、そこに刺さっていた

・「しおづけ」の削りが想定より速く、サイクルを回さずとも瞬間火力を出すだけで勝てた

・そもそもこの構成のドラパルトが汎用的に強く、選出しない理由が無い場合が多かった

といったことが挙げられる。

 

3位

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157(44)-162(252)-91(4)-×-100(76)-176(132↑)

B…ようきガブリアスの「じしん」+[さめはだ]ダメージ確定耐え

D…特化サーフゴーの「ゴールドラッシュ」75%耐え

S…準速マスカーニャ+1

最低限の耐久を確保しているため、耐性の変化で生きこる可能性を見込んで特性は[へんげんじざい]とした。特に「トリック」のタイミングにおいて、一致打点がなくなるデメリットより弱点が減るメリットの方が大きかった。

カイリューの「しんそく」で縛られずに「トリック」をしたいのでテラスタイプは"ゴースト"とした。

 

4位

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161(4)-127(252)-97-×-125-160(252↑)

「みがわり」や積み技に「アンコール」した後何もできなければ結局起点になるため、攻撃的な構成で採用した。低HPで裏に残した場合の価値を高める意図もあった。

"ドラゴン"+"じめん"などの攻撃範囲に対して行動回数を稼ぐため『ふうせん』を持たせた。

パーモットやジバコイル等"でんき"タイプが重かったため、初手で大きく削る選択肢を取れる"じめん"テラスタルとした。

 

5位

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183(132)-198(204↑)-116(4)-×-121(4)-121(164)

A…11n 

S…+1で最速ゲンガー抜き+1

11nそれ自体に意味はないが、一般的な状況で勝率を最大化するために努力値効率を拠り所とした。

基本選出に組み込むことを想定していたが、ドラパルトの選出率の高さが直接的にも間接的にもこのポケモンの選出率を落としていた。

 

6位

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161(4)-×-85-187(252)-125-167(252↑)

「ふきとばし」により積み合いに強いと考え採用したが、積み技に後出しできるほどの耐久はなく、先に「ちょうのまい」を積めているなら「ふきとばし」をする必要はないため機能しなかった。

続いてその枠を「おにび」に変更し、単体パワーを高めつつサイクルの中で裏の起点を作る使い方を試した。しかし、ウルガモスを出したい"はがね"ポケモンの大半がセグレイブと同居しており、「おにび」が上手く機能しなかった。

最終的に、サイクルを回すより瞬間火力を出す方針のもと『こだわりメガネ』+"ほのお"テラスタルのフルアタで使用した。

最終的な構成になってからの対戦回数が少なく、この構成が最善であったか断言はできない。当初の採用理由を失った段階でポケモン自体を再考すべきであったが、考察時間が不足していた。

 

 

所感・謝辞

キョジオーンを活かすべく構築を組み、実際にキョジオーンを最も多く選出する形で勝つことができたため、満足している。結論とは言い切れない点も残ってしまったが、1ヶ月という短い期間に対しては充分に考察を深められたと自負している。

最後に、共に実戦を行なってくれたsuica、がんだーの2名に感謝の意を表する。プレイの開拓、モチベーション維持の両面において多大な協力をいただいた。本記事は3人で上げた成果である。